月読の憂鬱
三日月の晩。眺めていると憂鬱な気分に。それは一瞬の出来事。
我に返り謎をひも解いていく。
そこには「月読命」の意識体があった。
天照大神の弟にして須佐之男命の兄。しかし古事記にはほとんど出てこない謎の多い神様である。
「アマテラスは有名で今日でも多くの家に祭られ崇められている。弟のスサノオも暴れん坊なイメージはあるもののヤマタノオロチを退治した話で有名。私の存在は月より暗いと嘆くツクヨミ」
普段縁のないベートーヴェンのピアノソナタ「月光」を聴きたくなる。
第1楽章の哀しき音色。重く暗い深い哀れみ。月読の心境の現われか
第2楽章は一転軽やかさと明るさがあり楽しくなる。月読の本来の明るさなのか
第3楽章はその激しさ。その早きテンポと強弱で心の深い葛藤を表わす。月読の憂鬱だろうか
聖徳太子の時代に入りゾロアスター教の思想を広めるにあたり古事記ではアマテラスが光の善の神の象徴となったのではなかろうか。月読命は闇で悪の神と解釈され文献を消されてしまったのではなかろうか。
そうなのだとしたら月読命の憂鬱を感じた私はこれを書かないわけにはいかないであろう